旧式タイランドエリートカードでは現行のエリートカードと比較して、90日レポートの代行サポートがありません。
この90日の代行サポートがないことは、現行のエリートカードと比較して旧カードのデメリットの一つとして良くご質問を頂きます。
たしかに、デメリットの一つと言えるかもしれませんが、それほど気にするデメリットではないと私は思っています。
そして、この90日代行サポートがないというデメリット以外にも、もう一つデメリットと思われるものが存在しています。
こちらについては殆ど質問をされることがありません。
おそらく、あまり知られてない旧式エリートカードのデメリットの一つだと思います。
旧式タイランドエリートカードのビザについて詳しく把握されていないまたビザの更新方法についても把握されていない事が多いのが実情だと思います。
今回は、あまり知られてない旧式タイランドエリートカードのビザについて記載してみたいと思います。
旧式Thailand elite CardのVISAについて
まずビザの更新の前にタイで長期滞在する場合に必ず必要となる90日レポートとTM30について記載したいと思います。
Bビザなどで就労している方は会社が面倒を見てくれている為、自分で意識する必要はありません。
しかし、旧式タイランドエリートカードを保持する方は自分で管理しておく必要があります。
なので、就労する予定のないエリートカードホルダーはこの二つの仕組みをしっかり理解しておく必要があります。
90日レポート(TM47)とは?
90日レポートとは90日以上のビザがある人を対象にタイの入国管理局へ通知を行う制度です。
どのようなビザを保持しているかは関係なく、タイに90日以上居住する外国人全てに通知義務があります。
エリートカードメンバーのビザも例外なくこの90日毎の報告を行う必要があります。
1年まるまるタイに滞在した場合、90日、180日、270日、360日という形で年に4回は行う必要があります。
この通知ルールを怠るとペナルティがあり、通常は初回2,000バーツの罰金が課されます。
2回目で5,000THBの罰金そして、1日に付き200THBの罰金を科されるケースが出てくると設定されています。
なお、以前は厳しく管理されていなかったのですが、この90日レポートの制度は2014年より厳格化され厳しく管理されています。
90日レポート報告方法
報告の方法は主に4つあります。
- 最寄りの入国管理局で本人が報告
- 本人に代わって代行で報告
- インターネット(オンライン)で報告
- 書留郵便で報告
上記方法のいづれかで各90日目の前15日間、後7日間の間に申告する必要があります。
TM30とは?
TM30は、入国管理局が、家主、住宅所有者、およびホテルなどの宿泊施設に滞在する外国人を報告するために使用する申請フォームの事を指します。
以前は主にホテルで、宿泊した外国人観光客を移民局へ報告するために使用されていました。
元々の法律は変わっていないのですが、近年このTM30の報告有無が厳しくなってきており、ビザ更新時に必要な書類となっているのです。
本来この申告は、ビザ更新が必要な外国人が行うべき申告ではなく、家主(オーナー)が申告する義務があるのです。
1979年に設定された移民法よりタイに入国後24時間以内に報告するように定義されています。
この報告を怠った場合、家主の責任であり、罰則対象も家主となります。
報告を怠った場合の罰金は、800〜2000 THBの罰金です。
報告するのは家主の責任であるため、本来そこに居住する外国人は罰則を受ける必要がないのですが、実際には、ビザ申請時に必要になる為、厳格に行っておく必要があるのです。
なお、このTM30は2019年より厳格化されています。
90日レポートもTM30も昔はそこまで厳しく見られていなかったのですが、タイに住む不良外国人の増加や違法滞在者が後を絶たない為どちらも厳格化されるに至り、現在ではビザ更新時に必須とも言われる申告となっています。
上記の為、90日レポートとTM30はタイに住む外国人がタイで長期で滞在する上で必要な申告です。
タイランドエリートカードでビザを延長する上でこの2つの申告が必要という事をまずは認識しておいてください。
90日レポートは1979年移民法のSection37で定義され、TM30はSection 37と38で下記のとおり定義されていますので、これを破ると法律違反ということになるのです。
90日レポートとTM30の説明は以上です。
次にエリートカードのVisaについて記載します。
Special Entry VisaとPrivilege Entry Visaの違いについて
旧式タイランドエリートカードと現行のエリートカードは実はビザのタイプが異なるのです。
- 旧式Thailand Eliteカードは、Special Entry Visa。通称SEビザと言われています。
- 現行Thailand Eliteカードは、Privilege Entry Visa。通称PEビザと言われています。
基本的に同じビザなのですが、名称が異なるのです。
また厳格には下記の違いがあります。
- 旧式Thailand Eliteカード TM30報告、90日レポート必須、90日毎に滞在延長が必要(1回1900THB)
- 現行Thailand Eliteカード TM30報告、90日レポート必須、1年毎に滞在延長が必要(1回1900THB)
新旧どちらもTM30と90日レポートは必須なのですが、旧式タイランドエリートカードについては90日毎、現行のエリートカードは1年毎にイミグレで滞在延長が必要となっています。
旧式タイランドエリートカードの方が1年連続してタイに滞在する場合、1900THB×4回で7600THBが掛かることになります。
そして、TPC社がサポートする内容にも違いがあります。
- 旧式Thailand Eliteカード 90日レポート代行サポートなし
- 現行Thailand Eliteカード 90日レポート代行サポートあり
新旧エリートカードのVisaの違いは主に上記のとおりとなります。
この旧式タイランドエリートカードのビザで良く質問を頂くのは、旧式タイランドエリートカードには90日代行サポートがないのがデメリットという事です。
しかし、旧式タイランドエリートカードには90日毎に滞在延長が必要という事は特に質問されていないのです。
実は、新旧エリートカードの大きな違いの一つとして旧式タイランドエリートカードには90日毎の滞在延長が必要となっているのにも関わらずです。
この違いはあまり知られてない為、質問をされないのだとは思いますが、実際には旧式タイランドエリートカードのデメリットとしては、①90日レポート代行がない事と②90日毎に滞在延長が必要な事の2つがあると言えるのです。
現行のエリートと比較して、90日レポート代行がないだけでなく、現行は1年毎に対して旧式タイランドエリートカードは90日毎に滞在延長が必要なのですね。
1つだけでなく、2つデメリットがあると認識して貰えればと思います。
これを大きなデメリットと見るか、大したことないと思うかは人それぞれだと思いますが、違いがあるということはしっかり認識して貰えればと思います。
後程、この2つのデメリットに対する私の私見を述べたいと思うのですが、その前にこのエリートカードのビザ延長手続きの方法を記載したいと思います。
旧式タイランドエリートカードのビザ更新手順
次に旧式タイランドエリートカードのSEビザが行わなければならない90日毎の滞在延長方法について記載していきます。
SEビザ滞在延長時に必要な書類
申請に必要な書類は下記のとおりです。
- TM2(外国人の滞在承認届用紙)
- TM6(出国カード、Departure Card)
- TM7(滞在延長の申請用紙)
- TM47(90日レポート)
- TM30(オンライン提出済みの画面のプリントアウト or 提出済みを示す半券のコピー)
- 6ヶ月以上の有効期限が残っているPassport
- パスポートのIDページのコピー
- エリートビザのコピー
- パスポートの最も最近の入国スタンプの押してあるページのコピー
- エリートカード
- エリートカードの両面のコピー
- 4X6cmの顔写真
- 手数料1900バーツ
なお、滞在延長をしなかった場合、1日あたり500バーツの罰金が課せられる可能性があります。
よって、90日以上連続でタイに滞在するならば必ずやるべき事と言えるでしょう。
滞在延長申請場所
エリートカードの滞在延長は、先に述べたTM30を提出した県で申請を行う必要があります。
申請の5営業日前までにTPC社に予約を入れる必要があります。
TPC予約時に必要なものは下記のとおりです。
- パスポートの有効期限
- 入国日が記載されたスタンプのページ(もしくは前回の滞在延長手続き日)
- VISAのぺージの写真
- 延長手続きの日時と場所
なお、バンコクのチェーンワタナというイミグレーションでの申請の場合は予約不要。
そして、90日レポートと旧式エリートビザの滞在延長期限は同じ90日で連動する為、90日レポートと滞在延長は同時に行う必要があります。
ただし、タイ国内でBビザやOビザなど他のビザからエリートビザへタイ国外へ出国しない状態でビザ切り替えをした場合は、90日レポートと90日毎の滞在延長は連動しないため注意が必要です。
あまりこのパターンはなく、基本的には入国から90日滞在許可が出るため、90日レポートと90日滞在延長は連動するため、そこまで気にする必要はありませんが、注意しておく必要はあります。
また、タイ国内に住居が2か所以上ある場合などは、TM30を申請希望の県で提出する事によって変更する事も可能です。
SEビザ更新手順
SEビザでの延長手続きは下記のとおりです。
- TPC社へ連絡し予約を入れる
- 延長手続きの書類を記入する
- 当日、イミグレの窓口で直接書類を提出(長くて1時間ほど)
いかがでしょうか。
延長手続きは、この3ステップのみです。
この滞在延長ですが実は非常に簡単で、難しい手順は特にありません。
書類を準備して当日イミグレの窓口に提出するだけなのです。
また、もしイミグレでの対応が不安な場合は、TPC社にお願いすればバンコクであれば現地サポートを有料で行って貰う事も可能です。
旧エリートカードには90日レポートの代行サポートがない事と90日毎に滞在延長が必要な事はデメリットなのか?
旧式エリートカードには、90日レポートの代行サポートがないという事。
これは多くの方から指摘される質問です。
また、今回紹介したあまり知られてない90日毎の延長手続きもデメリットと言えるかもしれません。
これは現行のエリートと比較して大きなデメリットなのでしょうか?
私は大きなデメリットとは思っていません。
なぜなら2つの理由があるからです
デメリットとは思えない理由①.延長手続きは非常に簡単
今回紹介したように延長手続きは非常に簡単です。
90日レポート自体も書類に記載して提出するだけです。また、今はオンラインで申請することも可能です。
90日レポート代行というのが、一つの現行のエリートカードの売りなのですが、そもそも90日レポートは非常に簡潔化されている為、不要とまではいえないですが、私としては、そこまで気の利いた嬉しいサービスだとは思えないのです。
本当に簡単に更新、申請が出来る為、旧式タイランドエリートカードにおける大きなデメリットとは思えないのです。
デメリットとは思えない理由②.回避する方法がある
また2つ目の理由として、この90日毎のレポートと延長手続きを回避する方法があります。
それが、90日以上滞在せず、89日毎に出国することです。
90日レポートおよび滞在延長手続きは90日以上滞在する人が申請対象となります。
一度、出国して再度入国したらそこからまた90日間の滞在が無料で許可されるのです。
なので、89日毎に出国すれば、原則不要なのです。
タイ以外の国、日本や他の東南アジアなどを3か月毎ペースで行き来する方であれば、これらの対応は不要になるんですね。
回避する方法もあり、且つ、TPC社にお願いすればサポートもしてくれるので大きなデメリットとは思えないのです。
さいごに
旧式エリートカードのビザは現行エリートビザとは大きく2つの違いがありましたね。
デメリットと思うかどうかは人それぞれですが、今回紹介した2つの違い以上に旧式エリートカードには現行のエリートにはない多くのメリットがあると思っています。
なお、私は、タイ移住を検討している方向けに今回紹介した旧式タイランドエリートカードの仲介もしています。
旧式エリートカードについて、詳しくは上記に詳細を記載していますのでご存じでない方はご確認ください。
またもし、ご興味がある方は下記ページにてお問い合わせ頂ければ幸いです。
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