2023年10月1日から、タイランドエリートの会員権が大幅に値上げされ、既に会員権を取得済みのメンバーや今後取得を検討している人々の間で大きな話題となり、注目を浴びました。

タイランドエリート現行会員の価格改定および変更、話題になった背景には、タイランドエリートを発行するThailand Privilege Card社が現行会員の価格改定を行うことを昨年7月頃に急遽決定され、価格改定前の会員資格を取得するためには、9月15日までに申請を完了する必要があるとのアナウンスがなされたことが発端です。

このため、大幅な値上げに伴う価格改定が行われる前に改定前の現行会員権を取得しようと駆け込み需要のような形でTPC社へ現行会員の応募申請が殺到し話題となりました。

最終的に取得するかどうかは別にしてまずは申請だけをする人もかなり多かったと聞いています。

そして、現行会員権と合わせて旧会員権を取得検討する方も多く現れ、私の方にもサイトを通して多くの方から旧会員権についての問い合わせが来ていました。

私自身、タイランドエリートカードを既に取得済み、これから取得検討をしようとする方々に大きな関心が寄せられていたことを身をもって感じました。

今回は、昨年10月に価格改定が行われたことで、今現在の既存メンバーやこれから新規で購入を検討している人々が価格に見合ったメリットを感じるかどうか?

新しくなった現行のタイランドプリビレッジメンバーシップ会員権の内容の考察を行ってみたいと思います。

新しくなった4つのタイランド・プリビレッジ会員権の内容

基本的な下記4つの特典は全メンバーシップ共通で利用できます。

  1. EPA(Elite Personal Assistant):スワンナプーム、プーケット、チェンマイ空港でのTPCスタッフの出迎えサービス
  2. EPL(Elite Personal Liaison):特典利用の予約、90日レポート、銀行口座、運転免許などの予約サービス
  3. MCC(Member Contact Center):マルチリンガルでのサポート窓口対応(日本人による日本語サービスもあり)
  4. Premium Lane:国際線利用時のプレミアムレーン利用サービス

そして、新たに作られた会員権は従来の『タイランドエリート』から『タイランドプリビレッジ』に名称変更され、メンバーシップの種類は次に挙げる4つの種類に分類されることになりました。

1.Goldメンバーシップ(5年間)

ゴールド会員の概要

  • 価格:90万バーツ
  • 利用期間:5年
  • 付与されるポイント:1年間に20ポイント

ポイントで利用できる主な特典

  • 空港送迎
  • 健康診断
  • ゴルフ&スパ
  • ラウンジの利用とショッピング
  • 映画館でのVIPシート

改定前の会員権はイージーアクセス(5年有効)と言われ、60万バーツで会員になることが出来たが、今回の価格改定により30万バーツ増額となった。

このイージーアクセスは60万バーツになる前に2021年1月1日より50万Bから60万Bに既に値上げが実施されており、2021年以前からだと40万バーツの増額になったと言える。

2.Platinumメンバーシップ(10年間)

プラチナム会員の概要

  • 価格:150万バーツ
  • 利用期間:10年
  • 付与されるポイント:1年間に35ポイント

ポイントで利用できる主な特典

  • 空港送迎
  • 健康診断
  • ゴルフ&スパ
  • ラウンジの利用とショッピング
  • 映画館でのVIPシート
  • バースデイ・ギフト
  • シーズナル・イベント

改定前の会員権はプリビレッジアクセス(10年有効)と言われ、100万バーツで会員になることが出来たが、今回の価格改定により50万バーツ増額となった。

3.Diamondメンバーシップ(15年間)

ダイアモンド会員の概要

  • 価格:250万バーツ
  • 利用期間:15年
  • 付与されるポイント:1年間に55ポイント

ポイントで利用できる主な特典

  • 国内線の無料サービス
  • 空港送迎
  • ゴルフ&スパ
  • 映画館でのVIPシート
  • 健康診断
  • ラウンジの利用とショッピング
  • コワーキングスペースの利用
  • バースデイ・ギフト
  • シーズナル・イベント
  • 保険
  • ホテルの無料提供サービス
  • Early Bird Event Tickets
  • Exclusive Networking Event
  • Wealth Advisory

改定前の会員権では15年利用できる会員権がなかったため、単純な価格の比較は出来ないが、10年のプリビレッジアクセス100万バーツと5年のイージーアクセス60万バーツの計160万バーツよりも90万バーツ増額となったといえる。

もしくは10年のプリビレッジアクセスを2回分の20年利用した場合200万バーツとなるが、こちらと比較しても5年利用できる年数が減っているにもかかわらず、50万バーツの増額となっている。

4.Reserveメンバーシップ(20年間)

リザーブ会員の概要

  • 価格:500万バーツ
  • 利用期間:20年
  • 付与されるポイント:1年間に120ポイント

ポイントで利用できる主な特典

  • 空港送迎
  • 健康診断
  • ゴルフ&スパ
  • ラウンジの利用とショッピング
  • 映画館でのVIPシート
  • Birthday River Cruise & Seasonal Gifts
  • パーソナルコンシェルジュ
  • プライオリティサービス
  • 専用ホットライン
  • スーパーカーの試乗
  • 国内線の無料サービス
  • その他

招待を受けた方のみ会員になる資格あり。

200万バーツを追加すれば家族も会員になることが可能。

改定前の会員権はアルティメイトプリビレッジと言われ、200万バーツで購入可能であったが、今回の価格改定により2.5倍に増額された形となった。

そして、アルティメイトプリビレッジはファミリープレミアムという形で家族会員を100万バーツで増やす事が出来たが、今回の改定により家族会員は200万バーツの追加が必要となり、こちらも2倍に増額された。

新タイランド・プリビレッジ・カードの主な変更点

新しくなったタイランドプリビレッジカードの改定前の会員との主な変更点は4つあります。

変更点1.すべてのメンバーシップにおいて取得価格が増額

上記で紹介した今回出来た4種類の会員ですが、改定前のメンバーシップと比較し全てのメンバーシップにおいて価格が増額されています。

改定前の会員権にはなかった特典が新しい会員権では追加されているため、単純に価格だけを見てコストパフォーマンスが悪くなったとは言えませんが、価格自体はすべてのメンバーシップで上昇した結果となっています。

特に20年のリザーブにおいては、2.5倍となり大幅な増額になったと言えます。

なお、タイランドエリートの長期会員権については2003年の発足当時から販売されており、発売当初は100万バーツで売り出され、その後150万バーツ、2013年に改定前の200万バーツへと価格改定されてきた経緯があります。

タイランドエリートカードとTPC社(Thailand Privilege Card)の歴史

大体10年毎に価格の改定が行われてきた経緯があったとみて良いでしょう。

変更点2.選べるメンバーシップの種類が変更された

改定前は、下記7つのメンバーシップが存在していましたが、今回は4つのメンバーシップに絞られる形に変更となりました。

改定前のメンバーシップ

  1. イージーアクセス(5年)
  2. ファミリーエクスカーション(5年 2名義)
  3. ファミリーオルタナティブ(10年 特典利用ができないメンバーシップ)
  4. プリビレッジアクセス(10年)
  5. スペリオリティエクステンション(20年 特典利用ができないメンバーシップ)
  6. ファミリープレミアム(期間はコアメンバーに準ずる)
  7. アルティメイトプリビレッジ(20年)

改定前は特典利用がないメンバーシップもありましたが、今回4つのメンバーシップは全てにおいてポイント制を利用しており特典利用が出来ないメンバーシップは実質廃止となった形です。

変更点3.利用できる特典がポイント制へ移行された

改定前のメンバーシップでは、空港での送迎サービスは各メンバーシップ毎に年間4回から24回(アルティメイトプリビレッジにおいては無制限)、ゴルフとスパにおいてはアルティメイトプリビレッジとファミリープレミアムのみ年間24回、10回と年間で一定の制限が設けられていました。

今回4つのメンバーシップ全てにおいてポイント制が新たに設定され、利用した特典ごとにポイントが利用されていく形に変更となりました。

個人的にこの変更が今回一番大きな変更であると感じています。

なお、ポイント制については下記のTPC社ホームページに詳細が記載されています。

リムジンや交通サービスの利用について

https://www.thailandprivilege.co.th/pdf/privilege-type/privilege-sheet-for-website-travel-2.pdf

ゴルフやスパなどの特典利用のポイントについて

https://www.thailandprivilege.co.th/privileges/leisure

変更点4.長期の20年においては招待制となり、年間で加入できる会員に制限を設置

長期の20年のメンバーシップであるReserve会員においては招待制が実施され、年間で加入できる会員に制限を設ける形になりました。

今までに招待制を実施されたことはなく、初のメンバーシップともいえると思います。

新メンバーシップの内容についての所感,メリット&デメリット

今回新たに出来た新しいメンバーシップの内容について、個人的な所感(メリット、デメリット)を述べてみたいと思います。

メリット.ポイント制に移行されたことにより、より柔軟に特典を利用できるようになった

ポイント制が新たに導入されたことによって、より柔軟にTPC社が提供する特典を利用できるようになりました。

このポイント制が導入された点はとても良いメリットだと思います。

ゴルフが好きな人はゴルフを多く利用し、スパが好きな人はスパ、海外へ行く事が多い人は空港送迎サービスをより多く利用するなど、他の特典を利用せず自分が利用したい特典を効率的に利用することが可能になっています。

また、5年有効のメンバーシップであったイージーアクセスはそもそもゴルフやスパの利用は出来ませんでしたが、今回のポイント制導入によりゴルフ、スパも利用が出来るようになっています。

5年有効のGOLDメンバーシップにおいては大きな改善点と言えるでしょう。

ポイント制によって、特典が有効に活用できるのはとても良い点だと高く評価できます。

デメリット.価格が大幅に値上げされたが、特に20年の長期会員については利用できる特典内容は大きく変わっていない

ポイント制が導入されたことは大きなメリットですが、20年有効の会員については元々フルに利用出来ていた点であり、そうであるにもかかわらず価格が2.5倍になったのはデメリットと言えると思います。

リザーブの20年では改定前のアルティメイトプリビレッジになかった特典利用(スーパーカー試乗や誕生日のクルーズ利用等)が追加されてはいますが、追加された特典の内容と2.5倍になった価格を比較しても特典と価格が釣り合っていないのではないかと考えています。

正直に言ってしまうと、Reserveという招待制にした20年のカードについては、招待を受けて加入したいと思えるような特典は個人的にはありませんでした。

今までは2M THB.日本円であれば1千万円ほどで20年タイに居住出来て、VIPサービスも受けられていましたが、今回の改定により価格は5Mになり、2000万円強となってしまいました。

お金に余裕がある人向けの富裕層向けカードに変貌したといえるかもしれません。

おそらく20年有効のメンバーシップについてはTPC社もより富裕層にターゲットを絞ったのだと思います。

しかし、もっと、魅力的な特典が追加されることを期待していましたが、そこまでの内容は現状では見て取れません。

20年有効のメンバーシップについて、これは残念な点と言えるのではないでしょうか。

所感.今回の価格改定は値上げされた部分はデメリットではあるが、ポイント制が導入されたことで、改定前よりも柔軟でより良いメンバーシップ制度になった

TPC社が今後も好業績を維持していくためには会員数の増加は不可欠であると考えています。

今回全てのメンバーシップで大幅な価格増訂がされましたが、20年のメンバーシップにおいてはそもそもの加入者が少なかったという背景があります。

よって、20年のメンバーシップにおいては大幅な価格増訂をしても売り上げに大きな影響は与えないと想定出来ます。

TPCは2020年頃より業績が非常に好調を維持しています。

この好業績を維持していたのはイージーアクセス(5年有効)のメンバーシップの会員数が大幅に増加していたからです。

タイランドエリート旧会員権と現行メンバー数の変遷と増加要因の分析

そして、この5年有効のメンバーシップについては今回30万バーツの増額がされたのみです。

30万バーツの増額は、日本円でいえば100万円ほどの増額を意味しますが、5年で30万バーツの増額なので、年間にすると6万バーツ、月にすると5000バーツのコスト増となった形です。

5年という期間で考えた場合、それほど大きなコスト増になっているとも思えません。

また、以前のイージーアクセスでは利用できる特典は空港の送迎サービスの年24回利用のみでしたが、今回新たに導入されたポイント制の導入によりゴルフ、スパなども利用可能なメンバーシップへと変貌しています。

年間で20ポイント付与されますので、ポイントの使い方によってはコストパフォーマンスは以前のイージーアクセスよりも優れているメンバーシップになったともいえます。

5年のタイランドエリートメンバーシップにおいては、改悪ではなく、改善されているようにも見えるのです。

またマレーシアやフィリピン、インドネシアなど他のASEAN諸国において5年有効でお試し感覚でお金を払えば取得できる移住VISAはありません。

5年有効のGOLDメンバーシップにおいては他国と比較しても優位性があり、5年で90万バーツと未だに比較的安価に取得が可能な移住プログラムであるとも思います。

タイランドエリートプリビレッジを取得する上で年齢制限も在住歴の有無も必要ないため、タイ国内の他のVISA(リタイアメントビザや永住VISA)と比較しても優位性は依然として高いのではないかと考えています。

タイロングステイの徹底比較-タイエリートビザとリタイアメントビザはどちらが良い?

5年有効のメンバーシップはTPC社の稼ぎ頭なので今後も会員数増加を維持していき、経営状況を良好に保つためにこのメンバーシップを魅力的にしていくことが会社の経営としても重要になってくるはずです。

長期の会員権はより富裕層向けの会員権へと変貌を遂げ、5年のメンバーシップは引き続き富裕層だけでなく一般層に広くコスト的に検討可能なレベルを維持し、ポイント制が導入されたことにより、幅広い特典を効率的に利用できるメンバーシップとなったと言えるのではないでしょうか。

よって、私としては、今回のメンバーシップは価格が大幅に増訂された結果となっていますが、良い改定だったのではないかと考えています。

以上が昨年10月より新しくなったタイランドプリビレッジカードの内容と私の考察となります。

次に、新しくなったメンバーシップの内容の考察を踏まえ、タイランドエリート旧会員権について記載してみたいと思います。

ThailandElite現行価格の大幅値上げ後,旧会員権がより一層魅力的になった2つの理由

今回新たに4種類のメンバーシップが誕生し、特典内容の考察を行いましたが、旧会員権は新たに出来たメンバーシップと比較して2つの理由でより魅力的になったと思っています。

理由1.新たなメンバーシップの特典よりも旧会員権の特典の方が未だに優れている

ポイント制が導入されより柔軟になったメンバーシップですが、旧会員権の特典と比較すると優位性は劣っていると思っています。

未だに旧会員権の特典の方が優れているのです。

タイランドエリート旧会員権の特典

5年のメンバーシップにおいては90万バーツと未だに安価であり、お試し感覚でまずは取得してタイ移住をしてみる点では現行の5年のメンバーシップの方が優れているとは思いますが、長期で滞在することを目的にした場合は旧会員権の特典の方が未だに優れている状況となっています。

現在存在しているタイランドエリートの会員権の中でも旧会員権は引き続き優位性があり最も価値の高い会員権であることを改めて認識されるような状況となっているのです。

理由2.現状では大幅値上げされた20年Reserveの会員権よりも安価であり、コストパフォーマンスに優れている

現状の旧会員権ですが、昨年10月に価格改定が行われた後も大幅に増加するような状況には至っていません。

旧会員権には市場相場のような価格体が存在しません。

売り手と買い手の当事者同士でその時のお互いが決めた価格で取引がされる、いわば相対取引のような形で価格が決められることが多いため、全ての旧会員権において大幅に値上げされた状況になっていないとは断言は出来ませんが、少なくとも私が仲介、売り手と交渉をする中で大幅な売値価格の増加には至っていない状況です。

特に30年有効の旧会員権であれば、いまだに現行の会員よりも安い値段で取得が出来る状況となっています。

タイランドエリート旧会員の生涯有効と30年有効はどちらが良いのか?

ただし、新しい価格改定に併せて旧会員権も今後は価格が上がっていくことが想定されます。

誰にでも手に入れることが出来ない旧会員権で、数に限りがあり常に売りに出されるわけではない為、取得するタイミングが難しいという現状もあります。

旧会員権に興味があれば予めアンテナを張って情報を取得するようにしておくのが良いのではないかと思います。

非売品で希少なタイランドエリート旧会員権を取得する為のベストな方法

さいごに

新しく導入された4つのメンバーシップに伴い、価格の上昇がありましたが、同時に会員特典やサービスの向上が期待されました。

私個人としては、今回のメンバーシップ変更は改悪ではなく、むしろ改善であると考察しています。

特に5年のメンバーシップに関しては、以前よりも魅力的なものに変化したと言えるでしょう。

この状況下で、旧会員権は引き続き優位性があると改めて考えるにも至っています。

新メンバーシップが導入されたとはいえ、以前の会員権が提供していた特典やサービスが依然として価値あるものであると思うのです。

新旧のメンバーシップを比較し、個々のニーズや期待に合った選択ができるようになったことで、会員たちにとっては多様な選択肢が提供されたことがポジティブな側面と言えるでしょう。

なお私は、今回紹介した旧式タイランドエリートカードの仲介をしております。

この投資ビザですが、他国の投資ビザと異なり、カード自体が資産になりえるカードです。

金額も他国の投資ビザと比べても数倍も安価且つ特典も付いた価格に対して価値が非常に高いものだと私は思っています。

もし、ご興味がある方は下記ページにてお問い合わせ頂ければ幸いです。

お問い合わせ

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